1億人の骨粗鬆症講座
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最近、骨粗鬆症という病気のことが、いろいろ話題となっています。
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骨粗鬆症はどのような病気なのでしょう? |
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(A)骨粗鬆症の何が恐ろしいの? ① 骨粗鬆症は高齢者、特に女性に多く見られる病気ですが、どこの国でもどの地方でも非常に多く見られます。また、男性も心配がないというわけではなく女性より少し始まりが遅いだけで、高齢になれば男性も同様にかかってしまいます。 ② 特に大腿部頚部の骨折は深刻です。通常数ヶ月の療養が必要で、このため筋肉が弱まり、「寝たきり」になる人が非常に多く見られます。 (B) 骨粗鬆症になっていることは、どうすればわかるのでしょうか? ① 骨粗鬆症になって、まず自分で気づくことは、腰が痛くなることです。また、いわゆるぎっくり腰の形で表われることもあります。 ② しかし骨粗鬆症というのは長年にわたって、骨の量が少しずつ減少していく病気です。 ③ それが骨量の検査です。 ④ ただ骨密度検査は様々な方式があり、検査機関によって多少の誤差があります。
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どのような人が骨粗鬆症になりやすいのでしょう |
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(1)世界で骨粗鬆症の多いのはどこでしょう (イ)それぞれの国で人口や老人の比率、栄養状態もいろいろ違うので簡単に比較することは困難です。 しかしアメリカは人種のるつぼといわれ、いろいろな人種の人がだいたい同じような食物を食べて、似たような生活をしています。 (ロ)ここで明らかになったのは、黒人と白人の間にはっきりとした差がでたことです。 白人の女性は骨粗鬆症になりやすいのに黒人の女性はほとんど骨粗鬆症にならないのです。 栄養や運動に多少の差はあるというものの、それでは説明できないくらいのはっきりとした差が出てきました。 いわゆる先進国といわれるヨーロッパ、アメリカ、カナダ、オーストラリア等の白人の間には骨粗鬆症の発生率にあまり大きな差はありません。 (ハ)日本人は白人に比べ大腿骨の骨折の割合はアメリカの約3分の1程度しかありません。 骨量を測っている限りでは、日本人は白人より少ないことが分かっています。 骨量が少ないのに骨折が起こりにくい理由はよく分かっていません。 しかし畳の上で生活するなど、生活習慣が関係しているのかもしれません。 今の日本の高齢者は、若いころにはあまり自動車にも乗らず、足腰をよく使って生活していたと思われますので、若いときから自動車ばかり乗っていたと思われるアメリカの高齢者よりも骨が強いのかもしれません。 逆に言うと、現代の若者はほとんどアメリカ人同様の生活習慣を送っていますので、骨粗鬆症に比較的なりにくいという状態がいつまでも続くとは限りません (2)気候風土と骨粗鬆症 (イ)旧ユーゴスラビアでは、カルシウムの取り方の多い地域と少ない地域を比較すると、摂取量の少ない地域のほうが骨粗鬆症にかかる人が多い、という報告があります。 (ロ)日本でもおおざっぱに言って、北海道、東北、山陰、北陸等の北あるいは日本海側に多く、東海、九州、四国等の南あるいは太平洋側に少ないことがわかっています。これは日照時間の短いところでは、皮膚での活性型ビタミンDの合成が少なく、このため腸からのカルシウムの吸収が不十分なためではないかと考えられています。 (3)栄養、体格と骨粗鬆症 (イ)骨粗鬆症にかかりやすい人の特色として、「やせている」「栄養摂取が不足」 しているなどがあげられます。 逆にある程度肥満の人は骨粗鬆症になりにくいことが知られています。このことは骨粗鬆症の原因を知る上で大切なことです。 その理由として人は骨に対してかかる重力が大きくいつも骨が刺激されて強くなります。 また脂肪組織はホルモンの関係でエストロゲンという女性ホルモンを合成する働きがあるため、肥満して脂肪組織の多い人はエストロゲンが体の中にたくさんあって、腸からのカルシウムの吸収を促進する働きが強くなるためです。 (ハ)それでは栄養成分の中で一体何が足りないのが、骨粗鬆症の起こる原因と関係があるのでしょう。 骨は体の中のカルシウムの99%を含んでいるので、カルシウムが不足すると。 骨粗鬆症が起こるという考え方は最もわかりやすいものです。骨をつくっている材料としては、このほかに「リン」「タンパク」「コラーゲン組織」ですが、カルシウムは特に不足しやすいために栄養的に注目が集まっているのです。 しかし現代の日本ではリンやタンパクが不足するということはほとんどありません。 したがってカルシウムを十分に摂ることが骨粗鬆症にならないために最も大切です。 他の栄養素はカルシウムに対する影響の面から考えられています。 例えばリンの取り方が余り多すぎるとカルシウムの吸収を妨げるとか、タンパクが多すぎるとカルシウムの尿中への排泄をさかんにするためにカルシウムが失われることが知られています。またナトリウムの摂りすぎも尿中へのカルシウムの排泄を多くします。 またリンは尿への排泄を低める働きもしm、あす。ですからリンはカルシウムについては中立的と言えるかもしれません。 (ニ)ビタミンについてですが、ビタミンCの欠乏は確かに骨を弱くしますが、ビタミンCは所要量の2.5倍ほど摂取していますのであまり心配する必要はないでしょう。ビタミンDはカルシウムの腸からの吸収に必要です。 脂溶性ビタミンですので、脂溶性食品の中に多く含まれています。このため老齢になると脂っこい食品を敬遠しがちになりますので、自然とカルシウムの吸収も悪くなってしまいます。 (4)生活習慣、運動と骨粗鬆症 (イ)骨は使わなければ弱くなるのは、筋肉など他の体の組織と同様です。ことに骨の場合は重力を含めた強い物理的な刺激が極めて重要になります。このことは宇宙飛行士が1週間無重力の状態で宇宙飛行しただけで、目に見えて骨が弱くなることからも明らかです。 ですから自動車ばかり乗っているような人などは骨粗鬆症になり易いといって良いでしょう。しかしこれを防止するのには特別な運動が必要であると言うわけではありません。駅まで歩いていく、階段を出来るだけ歩いて上る、重い荷物を自分で持つ、といったことでも習慣にしていれば骨粗鬆症になることはずっと少なく出来ると思います。 (ロ) 生活習慣としてはこのほかに、飲酒や喫煙があげられます。どちらも骨粗鬆症を起こしやすくする危険因子です。これらは直接骨に影響があるのか、あるいは腸の働きを弱めるのか、はっきりとは分かっていません。 またコーヒーに含まれるカフェインも尿中へのカルシウムの排泄を促進する物質です。 これらの因子は互いに密接な関係にあると言うべきでしょう。たとえば酒をよく飲む人は食事がすくなくなる傾向があり、カルシウムの摂取がもともと少ない人が多いのです。 逆に運動をよくする人は喫煙の本数も少ない人が多く、おなかも空くので良く栄養を摂っている場合がおおいでしょう。また運動は戸外ですることが多く、皮膚からのビタミンDの合成も順調で腸からの吸収を促進することにもなります。 つまりすべての点で健康的な生活習慣をを身につけることが結局骨粗鬆症の予防につながることになるのです。 |
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| 骨粗鬆症はどのようにして起こるのでしょう | |
(1)骨の出来方 骨はよく知られているように、常に新しい骨が作られ、同時に破壊されています。 一般的に、骨の外側へ新しい骨が作られていき、内側から骨が破壊されていきます。 このため、骨全体は少しずつ太くなり、同時に内側の骨髄腔と呼ばれる部分は逆に広くなっていきます。 ですから新しい骨の出来る速さと、古い骨が破壊される速さのバランスで骨の強さと量が決まっていきます。 骨が増加しすぎる、という例も希にはあるのですが、ほとんど場合破壊される速さが上回り、骨の量が減少し骨が弱くなって骨折しやすくなる、という場合です。 そのもっとも多い例が「骨粗鬆症」です。 (2)ホルモンの働き 骨の出来方と、壊れかたがちょうど良いバランスになるよう、体は様々なホルモンを用意しています。 (A)骨の破壊を進めるホルモンの代表は「副甲状腺ホルモン」です。 血液中のカルシウム濃度が少しでも下がったりしますと、生命に関わる一 大事ですので、直ちに「副甲状腺ホルモン」が分泌され、骨を破壊し、骨のカルシウムを血液中に放り出します。 このようにして、血液中のカルシウム濃度を元に戻す大切な働きをするのですが、骨にとってはカルシウムを減少させる働きをしてしまいます。 (B)食品から摂取するカルシウムが少なく、血液中のカルシウム濃度が下がり気味になりますと、「副甲状腺ホルモン」が多く分泌されることになり、骨を形成するよりも破壊されるほうが多くなってしまい、骨のカルシウムが次第に減少していき、ひいては骨自体の量が減ってしまいます。これが骨粗鬆症の典型的な起こり方です。 (C)副甲状腺ホルモンは同時に腎臓に働きかけをし、「活性型ビタミンD」を分泌させます。 この「活性型ビタミンD」は腸からのカルシウムの吸収を促進させる働きをし、骨から溶け出すカルシウムと併せて、血液中のカルシウム濃度を高める働きをします。 しかし老齢になると、腎臓そのものの働きが弱まり、活性型ビタミンDの分泌量も減少するために、カルシウムの吸収量が減り、骨粗鬆症によりなり易くなってしまいます。 (D)他方「カルシトニン」というホルモンがあります。このホルモンは甲状腺から分泌されますが、副甲状腺ホルモンとは逆に骨のからカルシウムが溶け出すことを抑制し、血液中のカルシウム濃度が高くならないような働きをします。 ただ、カルシトニンがカルシウムの骨への吸着を促進するかどうかはよく分かっていません。 一般的に、老齢化すると血液中のカルシウムは不足気味の傾向にあり、またカルシトニンの分泌も減少しますので、カルシトニンの出番は少なくなります。ということは骨からカルシウムが溶け出すことを抑制するホルモンが少ないと言うことは、ますます骨のカルシウムが減少してしまう、ということになってしまいます。 (E)以上のホルモンのほかに、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」も骨の強さを保つために重要な働きをします。しかしこの「エストロゲン」は閉経を境に急速に分泌量が減ってしまいます。骨粗鬆症が主に女性がなり易い、というのもこの「エストロゲン」の分泌が大幅に減少するためであると、言われています。 (3)カルシウムと骨 (A)人体のカルシウムの99%は骨あり、骨に実際に強さを与えているのはカルシウムですから、カルシウムの減少は骨の減少、すなわち骨粗鬆症という考え方は単純化されていますが、理解しやすいものです。 (B)体重50KGの普通の成人の体には、カルシウムは約1KGあります。食事でたとえ600mgとったとしても、腸から吸収され体の中に入っていくのは、3分の1の約200mg程度で、残りは便と一緒に体外に出て行きます。 骨と血液の間にはカルシウムのやりとりがあり、血液が腎臓を通る時、尿の中にいくらかのカルシウムを排泄していきます。 もし体の中に入っていくカルシウムより出て行くカルシウムの方が少し多く例えば1日30mgのカルシウムが毎日失われるとすると、1年では10g、40年では400gのカルシウムが失われることになります。全体の40%のカルシウムが減少するわけですから、これは確かに骨粗鬆症というべき状態ですし、腰痛や骨折の危険もおこっているでしょう。 たとえ1日に不足す量がごく僅かであっても、高齢化社会の現代においては、大きな影響を骨に与えるのです。 (3)ホルモンと骨 (A)人の一生の間には、いろいろなホルモンが分泌され、血液の中を循環して、その時々にふさわしい役割を果たしています。 男性ホルモンは、筋肉を強くするとともに、骨を強くします。 出産の時に産道を確保するために必要な骨盤の形をしっかりと保つためには、骨を強くする必要がありますが、女性ホルモンである「エストロゲン」もこのような骨の強さを保つのに必要で、直接骨に対する作用もあります。 このほかにカルシトニンの分泌を盛んにしたり、活性型ビタミンDたくさん作らせて、腸からカルシウムの吸収を盛んにさせたりして、間接的にも体の中にカルシウムを保持し、また骨が失われるのを防ぐ働きを有しています。 (B)女性では閉経期後にカルシウムの吸収が悪くなり、たとえたくさんのカルシウムを含む食物を食べても、これを十分に活用できなくなるので、若い時によりもさらにたくさんのカルシウムをとらなければバランスをとることが出来ません。 成人のカルシウムの所要量に比べて、妊婦や成長期の子供ははるかにたくさんのカルシウムを摂らなければなりませんが、妊婦や子供は腸からのカルシウムの吸収が普通の成人よりむしろ良いのです。 これに比べて高齢者では、腸からの吸収が悪いため、はるかにたくさんのカルシウムを摂取する必要があるのです。 アメリカでは、1日の成人の所要量は800mgですが、閉経後の女性は1日2000mgが必要であるという人もいます。 少なくとも、若い人の2倍くらいは摂ったほうが安全でしょう。 (C)このようにカルシウムの利用率が悪くなるのは、女性の場合は「エストロゲン」の欠乏が主な原因ですが、その他にも腸自体の働きもだんだん弱くなってきてカルシウムなどの吸収力が悪くなってしまうからです。 (D)カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンが分泌されるのは、前にご説明した通りですが、これは骨からカルシウムを取り出して血液中のカルシウム濃度が下がらないようにするからです。ですからいつもカルシウムの不足気味の人は副甲状腺ホルモンの分泌が多くなり、骨はだんだんと弱くなっていきます。 (E)逆に甲状腺から分泌されるカルシトニンは骨からカルシウムが取り出されるのを抑制する作用がありますので、血液中のカルシウム濃度が高まってきますと、必要となってきます。したがってカルシウム不足の人にはあまりカルシトニンの出る幕が無いのです。 |
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| 栄養、肥満と骨粗鬆症・・・・壱 | |
カルシウムと骨粗鬆症 (1)カルシウムと骨粗鬆症は、すでにご説明しておりますと折り、切っても切れない関係に有ります。 カルシウムの摂取が少ないか、吸収が悪いか、あるいは尿中へ失われる量が多くてバランスが負になると、骨粗鬆症が起こりやすくなります。 また、エストロゲン欠乏、副腎皮質ホルモン過剰等いろいろな因子による骨粗鬆症の発生にも、カルシウムの代謝異常が中心的な役割を占めています。 つまり、骨粗鬆症の発生は、カルシウムの欠乏が出発点になっているのです。 (2)それではどのくらのカルシウムを摂っていれば安心でしょうか。 厚生省の栄養所要量(これくらい摂っていれば一応大丈夫という量)では、成人では1日600mg(体重1kgにつき10mg)とされています。 このカルシウムの栄養所要量は世界の国々によって異なります。基本的には科学的な事実に基づいて、国民の栄養の現状からみて実現可能な目標を設定したものです。しかし他方、その時の政策にも影響されることもあります。 たとえばアメリカのそれは800mgであり、ヨーロッパ各国でも日本より高くなっています。 逆に発展途上国では日本より少なくなっています。 これは本当にカルシウムの摂取の必要量を示しているとともに、現在どのくらいのレベルまで、カルシウムの摂取が増えてきているかを示しているものと考えられます。 すなわち、日本ではアメリカやヨーロッパ諸国よりカルシウムのとりかたが少なく、カルシウムは不足している可能性が強いと思われます。 (3)カルシウムの栄養摂取については、ただ食品成分表で1つ1つの食品のカルシウムの含有量を調べて、その和を出すだけでは十分に分かりません。 これは、たとえ同じ量のカルシウムが含まれているとしても、食物の種類によっては腸から吸収、つまり人体による利用がかなり異なるからです。 牛乳のカルシウムは比較的よく吸収され利用されますが、小魚や海草のカルシウムはそれほどよく吸収されるかどうかは疑問です。 またシュウ酸やフィト酸を多く含む野菜、たとえばほうれん草等の場合にも、カルシウムはシュウ酸と結合しやすいので、その利用は極めて悪いものと思われます。 (4)リンとカルシウムの比率が大切であるとよく言われますが、これもリンが食物中にあまり多くあると、カルシウムと結合してカルシウムの腸からの吸収を妨げるからです。 また、年をとると、カルシウムの腸からの吸収が悪くなり、閉経後は明らかにカルシウムの吸収が低下します。しかしエストロゲンを服用すると、これがある程度改善されるといわれています。 人の腸は、周囲の状況に非常によく反応し適応することができます。もしカルシウムの摂取が足らないと、腸からの吸収は良くなっていき、少しのカルシウムも逃さないようになります。このためカルシウムを補給するとよく利用され効果が高まる可能性が強くなります また、すでにカルシウムをかなり十分に摂取している人は、腸のほうもいわばのんびりしていて、あまりカルシウムを吸収する効率はよくありません。 欧米の比べて、日本のほうがカルシウムの摂取について、うるさく言うのは、結局日本人は一般的にカルシウムが不足しているからに他なりません。 |
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| 栄養、肥満と骨粗鬆症・・・・弐 | |
(1)リンとカルシウムと骨粗鬆症 (1)リンもまた、カルシウムとともに骨の重要な構成要素です。ですからリンの欠乏も骨の減少を起こす可能性が考えられます。 しかし、我が国ではリンは過剰気味に摂取していますので、リンが不足することは少ないと考えられます。 逆にリンが多すぎると、カルシウムと結びついて、腸からのカルシウムの吸収を妨げます。また腎臓での活性型ビタミンDの合成が低下し、これによっても腸からのカルシウムの吸収が減少します。 したがって、骨粗鬆症を防ぐためには、カルシウムを十分に摂取するほか、リンをあまり摂りすぎないようにすることも必要です。 りんをとってもよい量はカルシウムの量の2倍くらいまででしょう。 (2)リンを多く含む食品として、肉・魚・卵・加工食品等がありますが、これらはタンパク質や脂肪も多く含んでいます。したがってこれらの食品はエネルギーにも富んでいますので、一般にはあまり取りすぎないほうがよいかもしれません。 また、腎臓に対しても負担となるようです。 (2)タンパク質とカルシウムと骨粗鬆症 (1)タンパク質は、昔から栄養の基本とされています。栄養のとりかたが全体として不足することを「タンパク質、エネルギーの栄養不全」というのはその一例です。 少なくとも、1日に体重1kgあたりについて1gくらいの摂取が必要です。1日70~80gくらいタンパク質を摂っている人も多いのですが、リンと同様あまり取りすぎないことが大切です。 なぜなら、タンパク質をあまり摂りすぎると、尿中へのカルシウムの排泄が多くなり、せっかくからだの中に取り込まれたカルシウムが尿中に失われてしまうからです。タンパク質をたくさん取ると、腎臓が無理をして尿をたくさん作り、体の中の物質を洗い出そうとします。カルシウムもこれと一緒に体の外に出てしまうからです。 (2)しかしながら、タンパク質はカルシウムやリンなどのミネラルとともに、骨を作っている大切な材料でもあります。このためタンパク質のとりかたがが非常に少なく、体重が減少していくような状態では、骨も強くなることは出来ないと考えられます。 タンパク質はまた筋肉をつくる主成分ですので、タンパク質を十分にとらなければ、筋肉の発達と維持は満足にできません。骨の強さを保つためには強い筋肉が必要ですので、タンパク質を十分に摂ることは、結局間接的に骨の強さを保つ上にも必要なことになります。 (3)上記のようのタンパク質はカルシウムや骨に対して、プラス面とマイナス面を併せ持っていることになります。過剰なタンパク質は別問題ですが、結局十二分なカルシウムの摂取がもっとも大切である、と言わねばなりません。 (3)ナトリウムとカルシウムと骨粗鬆症 (1)ナトリウムは食塩として日本人の食事の中では古くから親しまれており、特に東北地方では最近まで大量に摂取されていました。このことは高血圧や脳血管障害の発生率が高かったのが、ナトリウムの摂取の制限によって、これらの疾患が非常に減少したことからも今では歴史的にも明らかになっています。 栄養所要量では、ナトリウムは1日に10g以上摂らないことが望ましいとされていますが、ナトリウムの摂取の多い地方では数十gという驚くべき量をとっていました。 (2)ナトリウムの摂取と骨粗鬆症との関係は、従来はあまりはっきりとはしていませんでした。しかし東北地方のナトリウムの摂取が多くて、高血圧の頻度の高かった地域では、骨粗鬆症も多く見られ、ナトリウムの摂りすぎは骨粗鬆症の発生を増加させる可能性も考えられました。 (3)ナトリウムをたくさん摂ると当然、腎臓から尿にナトリウムがどんどん排泄され、この時にカルシウムも尿中にたくさん排泄されてしまいます。 このためナトリウムの摂りすぎは、せっかく体の中に吸収されたカルシウムをどんどん失ってしまうことになりますので、結果的にカルシウムの摂取が足りないことと同じで、骨粗鬆症が起こりやすくなります。 (4)ナトリウムはまた、カルシウムと入れ替わりやすい、と言われています。もしナトリウムを非常にたくさん摂りますと、これが血液に中にも、血管の細胞の中にも溢れてきます。血管の細胞のなかのナトリウムがカルシウムと交換されますと、細胞中のカルシウムが増加し、血管が収縮し高血圧が起こることになります。 ナトリウムのとりかたが多すぎると、高血圧と一緒に骨粗鬆症が起こることは、このように実際には一つの楯の両面をみているのかもしれません。 (4)糖とカルシウム 砂糖の摂りすぎは、カルシウムの吸収を悪くするとか、骨を溶かすとか、色々なことが言われていますが、これは誤りと言うべきです。乳糖は明らかにカルシウムの吸収を助けますし、しょ糖もブドウ糖もむしろカルシウムの吸収を増加させます。 しかし、あまり砂糖を取りすぎると、尿の中にカルシウムが排泄されやすくなってしまいます。 いずれにしましても、現代の食生活、特に子供のそれは糖分過剰というべき状態ですので、糖分がカルシウムの吸収を助けるからといって、今以上に糖分を摂取することをお勧めはとても出来ませんね。 (5)肥満とカルシウムと骨粗鬆症 肥満は言うまでもなく、高血圧、動脈硬化等の危険因子として、まっさきにあげられるもので、健康の第一の敵と言うべきものです。 ところが、こと骨粗鬆症に関していえば、肥満はむしろ安全因子であり、太っている人に骨粗鬆症の人はあまりいません。 これは体重が重たいほうが骨に対する物理的刺激が強く、いつも重い荷物を運んでいるようなものですので、いつのまにか骨が丈夫になっているからです。 また、ホルモンの関係でも、強くなるのではないかとも言われています。 いずれにしましても、骨粗鬆症を予防するために、肥満になろうということはないわけで、骨粗鬆症予防は肥満以外の方法で行うのがよろしいかと思います。 |
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まとめ… 骨粗鬆症にならないためには、どうしたらいいの? |
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骨粗鬆症はたしかに恐ろしい病気です。しかし我々は何もしないでただこの病気が進むに任せておくことはありません。 我々のとるべき手段はたくさんあり、これらをすべて有効に使いこなせば、骨粗鬆症にかかる危険をかなり少なくすることができます。 (1)骨粗鬆症の危険因子をよく理解する カルゲンレターNO,12骨粗鬆症危険度チェック 骨粗鬆症の危険因子をよく理解し、自分が骨粗鬆症になりやすいかどうか、を知る必要があるでしょう。 もしなりやすい点があるとすれば、どのような点を改めれば危険因子を取り除くことができるかを調べて、一つ一つ努力していかなければなりません。 もし、骨粗鬆症の危険が迫っているとか、すでに骨粗鬆症の状態といえるような状態であれば、早速に医師の診断と治療をおこなわなければなりません。 そのためにも定期的な骨量のチェックが重要です。 (2)栄養の点から注意する 栄養の点から言えば、一にも二にもカルシウムの摂取量を増加させるよう努めることが大切です。 その他の栄養素も重要な要素ですが、実際のところカルシウムの摂取のほかに色々なことを考えて食事をとっていくことはなかなか難しいのではないでしょうか。 なんといってもカルシウムの摂取強化を中心に考えるのが一番簡単なのではないかと思います。 (3)運動の強化 運動はなにも激しい運動をしなければならない、というわけではなにもありません。 しかし、少し根気よく続けることが大切です。こまめに体を動かすことが大切です。ゲートボールのような軽い運動でも長く続けると、骨量の維持増加に大変有効です。 世の中はだんだん楽になってきましYたが、体を楽にすることは、骨をどんどん弱くしてしまうことにつながります。「骨身を惜しまず働く」というように骨に刺激を与えつづけることが大切です。 |
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